資産形成

【紙の通帳が有料化】変わりつある銀行口座の手数料。その動きをとりまとめ。

2021年1月からみずほ銀行、同年4月から三井住友銀行において、新規口座を開設して「紙の通帳」を発行する際に、手数料が課されるのでご注意ください。
今のところ「新規口座の開設」+「紙の通帳」に対してのみ手数料がかかることになりますが、今後「未利用口座」や「口座維持」に対しても手数料がかかるかもしれないので、ネットバンキングやネット銀行の利用に移行しましょう。

 

こんにちわ!まーこ(@maakomoneydiary)です。

今回の記事のテーマは「銀行口座の手数料」です。

銀行口座をめぐって、次のように新たに手数料を課す動きがあります。

●みずほ銀行は、2021年1月18日以降に新たな口座を開設する際に、紙の通帳を発行する場合は1.100円の手数料を課します。
●三井住友銀行は、2021年4月以降に新たな口座を開設する際に、紙の通帳を発行する場合は年間550円を課します。
また、2021年4月以降、新しく口座を開設して残高1万円未満で入出金が2年以上なければ年間1.100円の手数料を課します。

これまで銀行では、振込時や時間外の引き落としなど一部で手数料がかかっていたものの、口座の開設・利用や通帳を発行する費用は基本的にかかりませんでした。
ですが、冒頭でご紹介したように、来年からみずほ銀行や三井住友銀行が新たに手数料を課す予定です。

まーこ
まーこ
手数料について何がどのように変わるのか、わかりやすく情報を整理した上で、今後どうすべきかお伝えしていきます!

はじめに結論からお伝えいたします。

結論

●銀行が手数料を新たに課すという動きに関して、注目すべき点は「未利用口座」、「紙の通帳」、「口座維持」という3点です。
●「未利用口座」はすでに地方銀行などで導入されていて、メガバンクでは三井住友銀行が2021年4月から導入予定です。
●「紙の通帳」は、新規に開設する口座を対象として2021年からみずほ銀行と三井住友銀行が導入予定です。「口座維持」については、まだ導入予定はありません。
●今のところ新規に開設する口座だけを手数料の対象としていますが、今後に備えて、保有口座の確認やネットバンキングの利用、ネット銀行への切り替えも検討していきましょう

1 注目点は、未利用口座、紙の通帳、口座維持の3

「銀行の経営が悪化している」「日銀のマイナス金利の影響」-。
銀行による新たな手数料を課す動きに関して、多くの背景や事情の情報があふれています。
ですが、私たち利用者にとっては、背景などは2の次で、「手数料の何がどう変わるか」「自分の利用している銀行がどうなるのか」という点が重要ですので、この点をまず先にお伝えいたします。

いま議論されている、あるいは注目されているのは、
●利用していない口座(未利用口座)
●紙の通帳発行
●口座維持
について、手数料が課されるという3点です。

この3点のうち、すでに地方銀行などが手数料を課すことを始めているのは「利用していない口座(未利用口座)」です。
来年から手数料を課すことを導入される予定なのは「紙の通帳発行」です。
「口座維持」については1つの銀行で例外がありますが、基本的に導入する予定は今のところありません。

以上をまとめると、次のようになります。

種類 どんな内容? 始まっている? どの銀行が?
利用していない口座
(未利用口座)
残高1万円未満で2年間、取引がなければ手数料を課す。
残高ゼロになると自動解約。
(主な例、金融機関によって条件・内容は異なります)
すでに
導入済
●2019年秋ころから地方銀行や信用金庫で始められています(りそな銀行はいち早く2004年から導入)。
●三井住友銀行は、2021年4月以降、導入予定。
●みずほ銀行、三菱UFJ銀行は導入予定なし。
紙の通帳発行 紙の通帳を発行する場合に手数料を課す 導入予定 ●2021年から、みずほ銀行と三井住友銀行が導入予定。
●三菱UFJ銀行は導入予定なし。
口座維持 銀行口座を保有すること自体に手数料を課す 現時点で導入予定
なし。
●一部の銀行が2000年ごろ導入したが、後に廃止。
●現在はSMBC信託銀行プレスティアが導入しているのみ(月2.200円)。

(*2020年12月時点の情報です)

2 3大メガバンクの動き

それでは、多くの方々が利用している3大メガバンク(みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行)の動きをもう少し詳しく見ていきましょう。

(1)未利用口座

未利用口座に手数料を課す動きについては、2020年12月の時点では三井住友銀行だけです。
みずほ銀行については導入予定がないほか、三菱UFJ銀行は、日経新聞で2019年12月に「未利用口座に年間1.200円の手数料を課すことを検討」との記事が報じられたものの、正式な発表はありません。

動きのある三井住友銀行ですが、無条件に全ての口座に対して手数料を課すというわけではありません。
手数料を課すのは、2021年4月以降に新しく開設した銀行口座などといった条件があります。
3大メガバンクの動きと三井住友銀行の手数料を課す条件をまとめると次のようになります。

未利用口座に手数料 手数料を課す口座の条件
三井住友銀行 2021年4月から導入予定 ●2021年4月以降に新しく開設した口座
●web通帳ではなく紙の通帳にしている、
またはSMBCダイレクトのパスワードカードの利用登録を済ませていないこと
(つまり、ネットバンキングを利用していないこと)
●残高が1万円未満で取引が2年以上ない
●18歳未満と75歳以上は対象外
三菱UFJ銀行 報道はあるが導入予定なし
みずほ銀行 導入予定なし

 

(2)紙の銀行通帳

紙の通帳に対して手数料を課す銀行は、2020年12月の時点でみずほ銀行と三井住友銀行の2行です。
三菱UFJ銀行については現時点(2020年12月)で導入する予定はありません。

紙の銀行通帳に手数料 手数料を課す条件・内容
みずほ銀行 2021年1月18日から
導入予定
●2021年1月18日以降に新しく開設した口座でネットバンキングを利用せず紙の通帳を発行する場合に1.100円の手数料を課す
●記帳がいっぱいになり、新しい通帳を発行する場合も1.100円の手数料を課す
●毎年1月末の時点で、1年以上の記帳がなければ、紙の通帳を発行せず「みずほe‐口座」に自動的に移行する
●70歳以上は対象外
三井住友銀行 2021年4月から
導入予定
●2021年4月以降に新しく開設した口座でネットバンキングを利用せず紙の通帳を発行する場合、年間550円の手数料を課す
●18歳未満と75歳以上は対象外
三菱UFJ銀行 導入予定なし

 紙の通帳に対して手数料を課すことを予定しているみずほ銀行と三井住友銀行ですが、どちらもこれから新規に口座を開設する人を対象としています。
また、みずほ銀行は「
通帳1冊ごと」に手数料を取る一方で、三井住友銀行は「年単位」で手数料を取るというのが特徴です。
例えば、記帳を多くする人で、1年で何冊も通帳を繰り越す場合、みずほ銀行なら1.100円×通帳分で手数料がかかってしまいますが、三井住友銀行の場合、通帳を何冊繰り越しても年間550円と変わることがありません。
 

3 今後心がけておきたいこと

こうしたメガバンクの動きの背景にあるのは、2016年の日銀によるマイナス金利政策以降、厳しい経営状況を強いられていて、コスト削減を迫られているからだと言われています。
銀行のサービスを全体的にコストのかからないネットバンキングに移行することで、
●紙の通帳にかかる印紙税(1口座あたり年間200円)
●口座の維持費(1口座あたり年間2.000~3.000円)
といったコストを削減できるのです。

こうした中で、私たちが今後心がけておきたい点は、次の3点となります。

(1)保有口座の把握を

今回の手数料を課す動きについては、対象が全て新たに開設する口座となっています。
ですが今後、銀行の厳しい経営状況が続くようであれば、手数料を課す口座の対象を広げたり、現時点で導入予定のない「口座維持」にかかる手数料を課すという動きが加速・本格化するかもしれません。

こうした状況の中で、ご自身あるいはご家族が保有している銀行口座がどこの銀行でいくつ口座があるのかを最低限把握しておきましょう。
特に「お子さんのお年玉を預かる口座」や「学生時代に利用していた口座」などは、ついつい存在を忘れがちです。
いまいちど保有する口座を確認し、その上で整理しましょう。

(2)ネットバンキングを利用

今回の手数料を課す動きについて、ネットバンキングを利用すれば手数料を課されることはありません。
新規開設の口座が手数料を課される対象であるため、以前からずっと利用している銀行口座で紙の通帳を使うことで手数料を取られる心配はありませんが、これを機会にネットバンキング(みずほ銀行の場合は「みずほe‐口座」、三井住友銀行の場合は「SMBCダイレクト」)に切り替えるのも一案です。
パソコンやスマホが不慣れな方は不安にお思いですが、ネットバンキングは今後確実に主流となっていきますし、「24時間いつでも利用できる」「店舗に行かなくても良い」「振込手数料が無料(あるいは安め)」といったメリットがあります。

(3)ネット銀行への切り替えも検討

メガバンクをネットバンキングに切り替える以外にも、そもそも銀行自体を楽天銀行や住信SBIネット銀行、ジャパンネット銀行といったネット銀行に切り替えるというのも一案です。
メガバンクのネットバンキングと同様に、ネット銀行は、「24時間いつでも利用できる」「店舗に行かなくても良い」「振込手数料が無料(あるいは安め)」などのメリットがあるほか、メガバンクと比較して金利が高いというのもメリットです。

また、将来の老後資金に備えるためにつみたてNISAやiDeCoをはじめようとする方は、楽天銀行や住信SBIネット銀行に口座を持っておけば、簡単で手数料も安く連携している「楽天証券」や「SBI証券」の口座を開設して始めることができるため、オススメです。

最後にまとめます。

まとめ

●銀行が手数料を新たに課すという動きに関して、注目すべき点は「未利用口座」「紙の通帳」「口座維持」という3点です。
●「未利用口座」はすでに地方銀行などで導入されていて、メガバンクでは三井住友銀行が2021年4月から導入予定です。
●「紙の通帳」は、新規に開設する口座を対象として2021年からみずほ銀行と三井住友銀行が導入予定です。「口座維持」については、まだ導入予定はありません。
●今のところ新規に開設する口座だけを手数料の対象としていますが、今後に備えて、保有口座の把握やネットバンキングの利用、ネット銀行への切り替えも検討していきましょう

 

まーこ
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