資産形成

年末調整とは-。実際の数字で説明いたします。

私の主人が年末調整で所得控除を何もしなかった場合、所得税は104万円。
所得控除をした場合、所得税は33万円。
その差は71万円と大きく、これが毎年続くので、所得控除の効果は本当に大きなものになります。
その詳細を見ていきましょう。

こんにちわ!まーこ(@maakomoneydiary)です。

今日は、「年末調整」について実際の数字で説明を進めていきます。

年末調整の概要については、本ブログをご覧いただければ嬉しいです。
「年末調整とは、支出最小化の一大イベントです」

年末調整とは、還付金を取り戻す支出最小化の一大イベントです!税金を減らすためには、課税所得を減らす必要があります。 その課税所得を減らすためには、所得控除を確実に行っていきましょう。 そんな所得控除を行う作業が「年末調整」なのです。...

1 源泉徴収票に書かれた実際の数字
(私の主人の場合)

年末調整の概要について、ざっくり説明いたします。

●収入-給与所得控除(必要経費)=所得
●所得-所得控除=課税所得
この課税所得の大きさに応じて所得税は課せられます。

毎月のお給料の明細を見ると、所得(*課税所得ではありません)に対して所得税が課せられていることがわかります。
本来であれば、課税所得に応じて所得税を課すべきなのですが、毎月、「配偶者控除」や「生命保険料控除」などといった所得控除をやってしまうと、事務処理が煩雑となってしまいます。

そこで、年末にまとめて所得控除を申請し、正確な課税所得を算出した上で正確な所得税を算出するというのが、年末調整の大まかな概要となります。

つまり、イメージとして「毎月、多めに所得税を取られている」という状態を、年末に所得控除を申告することで課税所得を算出し、所得ではなく「課税所得」に応じた所得税に減らしていく(=調整する)という作業と言えることができます。

税金を減らして支出を最小化する大事なイベントである「年末調整」。

まーこ
まーこ
税金を減らしたい!

(税金をお給料にしている公務員の妻が声高に叫ぶのは大変恐縮なことですが…。)
そのためには、日常生活の様々なステージで出費をしているという「がんばっているアピール」をして(=所得控除をなるべく大きくして)、課税所得額をなるべく小さくする作業が重要となります。
詳しくは前回の記事をごらんください。

それでは実際に源泉徴収票を見てみましょう。
 ●赤字部分

支払金額 給与所得控除後の金額 所得控除の額の合計額
9433960円 7290564円 2334099円

●青字部分
源泉徴収税額=330800円
●黄字部分

配偶者控除 社会保険料等の金額 生命保険料の控除額 地震保険料の控除額
380000円 144000円
1504523円
50000円 19576円

*社会保険料等の金額の欄について、iDeCo(個人型確定拠出年金)をやっている方は2段表記になっていて、上段がiDeCoの年間の掛け金(画像では144000円)が記載されているはずです。

●紫字部分
住宅借入金等特別控除の額=239700円

という感じで記載されています。

わかりやすく説明するために、細かい数字を簡略化していきます。
所得は、<給与所得控除後の金額>で記載されている729万円となります。

そして、
イ)所得-所得控除=課税所得ですから、
729万円-233万<赤字部分の所得控除の額の合計額、あるいは黄字を全て足した額>=496万円となります。
この課税所得496万円に所得税が課せられるため、計算式に当てはめて、
(496万円×0.2-42万7500円)=約56万円というのが所得税となります。
さらに、「税額控除」である住宅ローン控除(紫字部分)23万円分を差し引きますから、56万円-23万円=33万円(青字部分)となります。

これらをまとめますと、

 課税所得    所得税
所得控除を何もしなかった場合 729万円 104万円
所得控除をした場合 496万円 56万円
さらに住宅ローン控除をした場合 496万円 33万円

このように比較すると、ものすごい差が出てきます。
これが毎年1回必ずあるため、確実に所得控除を行うことが重要なのです。

毎月もらうお給料では、“所得”(*課税所得ではないことに注意)を基準に課税されていて、「所得>課税所得」ですから、いわば毎月多めに税が徴収されているのです。
そこで、年末調整の際に、所得ではなく所得控除を考慮に入れた“課税所得”を基準にして所得税の額を計算し、多めに徴収された税金を取り返す、という流れになります。
(*「取り返す」という表現が正しいのかどうか…)。

この減税をがんばった効果は、一般に12月のボーナスの明細でわかります。

上記の画像のように、所得税の項目がマイナス表記されています。
これは、このマイナス分税金が戻ってきます、という意味です。
がんばった成果を、このように目に見える形で実感できることは、とても嬉しいですね。
本来であれば、この12月のボーナス時に約10万円の所得税が課されているはずです。
それが、年末調整によって10万5千円が返ってくる(*実際には他の控除と相殺されてしまいますけど)。
10万円を払わなければいけないところ、10万円が還付される-。

つまり、いま流行っている『半沢直樹』風に言うと、「所得税の倍返しだ!」
というふうになるのです(少し無理やりな感)。

これまで、ただ漫然と見ていた「源泉徴収票」や「給与明細」。
なんとなく仕組みがわかると、これからとても味わい深く見ることができますね!

今年の年末調整の際、この記事が少しでも皆さんのご参考になれば大変嬉しいです。

公妻まーこ(^^