年に1度、誕生日月に送られてくる「ねんきん定期便」。
●65歳になったら年金いくらもらえるの?
●これまで保険料をどれくらい支払ったの?
●未納期間があるの?
といった疑問を解消してくれる便利なツールです。
また、この定期便を見ながら試算サイトに必要事項を入力すれば、2~3分で受給額がわかるのでぜひお試しを!
FP(ファイナンシャルプランナー)3級のまーこ((@maakomoneydiary)が、具体例をまじえながら、自信を持ってお伝えします!
今回の記事は、「ねんきん定期便」です。
はじめに結論からお伝えいたします。
●「ねんきん定期便」は、年に1度、誕生月に送られるもの。
●ねんきん定期便で「これまでの年金加入期間」や「これまでの加入実績に応じた年金額」などを確認できるほか、将来の受け取り額も計算できます。
●ねんきん定期便は50歳未満と50歳以上で様式が異なっており、50歳以上の様式では「老齢年金の種類と見込額(年額)」という項目が加わり、より具体的な受給額を確認することができます
●ねんきん定期便と試算サイトを利用して、簡単に受給額を確認できます
1 ねんきん定期便とは?
日本年金機構から年に1回、ご自分の誕生月に「ねんきん定期便」が送られてきます。
「ねんきん定期便」には、「これまで支払った保険料の納付額」や「これまでの加入実績に応じた年金額」などが記載されています。
老後の生活設計を考える上で、ご自分の年金受給額を把握することは極めて重要となってきます。
その年金の受給額を確認するためのツールが、この「ねんきん定期便」なのです。
年に1度郵送されてきたら、そのまま放置するのではなく内容を必ず確認するようにしましょう。
↓このような「ねんきん定期便」が送られてきます。
(*日本年金機構「ねんきん定期便」の様式(サンプル)より)


2 確認したいチェックポイントは3つ
(1)これまでの年金加入期間
1つ目が、「これまでの年金加入期間」です。
見るべき場所は、ねんきん定期便のウラ面中央部分「2.これまでの年金加入期間」の一番右側です。
欄の上部に受給期間(a+b+c+d)と記載されています。
年金を受給するためには、一定期間(120月、10年)以上加入していなければ受給することはできません。
また、加入者が万が一死亡したり障害を持つようになってしまった場合、遺族年金や障害年金を受け取ることができるのですが、加入期間を満たしていなければ受給することはできませんので確認してみましょう。
●年金(老齢基礎年金)の受給資格:(a+b+c+d)が120月以上
●遺族年金(障害年金)の受給資格:(a+b+c+d)/年金加入時点~死亡あるいは障害月の前々月までの月数が、2/3以上
●年金(老齢基礎年金)の満額受給:(a+b+c)が480月以上
(2)これまでの加入実績に応じた年金額
2つ目が「これまでの加入実績に応じた年金額」です。
見るべき場所は、ねんきん定期便のウラ面下の「3.これまでの加入実績に応じた年金額」という欄です。
この欄には、これまで納めた保険料から算出された、見込みの年金受給額が記載されています。加入期間に応じて受給額は増減します。
(3)納付記録
3つ目が「納付記録」です。
見るべき場所は、ねんきん定期便のオモテ面右部分「最近の月別状況です」と書かれた欄です。
この欄は、国民年金と厚生年金の納付状況が記載されています。
注意すべきポイントは次の2点です。
①転職する人は注意が必要です。
これまで会社を通じて社会保険料が天引きされていましたが、会社を辞めて次の会社に転職するまでの期間は、年金が未納となっているため、ご自分で国民年金への加入手続を行う必要があります。
②結婚をして配偶者の扶養となったり、離婚をして配偶者の扶養から外れる場合、国民年金の種別変更の手続をする必要があります。
3 50歳以上の方は様式が変わります
「ねんきん定期便」は、50歳未満と50歳以上で様式が異なります。
上記では50歳未満のねんきん定期便を説明してきました。
50歳以上のねんきん定期便は、50歳未満の様式と同様に、「これまでの年金加入期間」や直近1年の納付状況などが記載されています。
そして大きな違いは、現在の加入している年金(国民年金あるいは厚生年金)に60歳まで同じ収入で継続した場合の「老齢年金の種類と見込額(年額)」という項目が加わります。
↓50歳以上は、このような様式に変わります。
(*日本年金機構「ねんきん定期便」の様式(サンプル)より)


年金の受給開始(65歳)が迫る50歳以上は、その受給額がより具体的になるというイメージです。
なので、老後の生活資金を考える上で極めて大事になってきますので、必ず確認・保管するようにしましょう。
また、ねんきん定期便には、節目の歳というのも設定されていて、加入者が35歳、49歳、59歳になる年には、通常のハガキではなく封書で届き、全期間の年金記録情報を確認することができます。
主な確認項目 | |
50歳未満 | 1.これまでの保険料納付額 2.これまでの年金加入期間 3.これまでの加入実績に応じた年金額 ●最近の月別状況 |
50歳以上 | 1.これまでの保険料納付額 2.これまでの年金加入期間 3.老齢年金の種類と見込額(年額) ●最近の月別状況 |
35歳、49歳、59歳 | 1.これまでの保険料納付額 2.これまでの年金加入期間 3.これまでの加入実績に応じた年金額(35,49歳) 4.老齢年金の種類と見込額(年額)(59歳) 5.全期間の年金記録情報 |
4 結局いくらもらえる?
(1)私の主人の場合を計算してみました
私の主人(国家公務員)の今年の「ねんきん定期便」には、次のとおり記載されていました。
3.これまでの加入実績に応じた年金額
(1)老齢基礎年金 | 418.535円 |
(2)老齢厚生年金 公務員厚生年金期間 |
652.908円 |
(3)(1)と(2)の合計 | 1.071.443円 |
主人は今年(2020年)43歳で、60歳までに17年(=204月)あります。
今後、60歳までのお給料の平均を40万円と仮定して計算しました。
(1)今後の老齢基礎年金:1.626円×204月=331.704円
(2)今後の老齢厚生年金:40万円×5.481/1000×204月=447.249円
(3)これまでの年金受給額:1.071.443円
*1.626円と5.481/1000という見慣れない数字は、年金見込み額を計算するための数字です。
(1)~(3)を合計すると、1.850.396円。
約185万円という計算になります。
つまり、185万円÷12=毎月15.4万円ぐらい受給できるということです。
(2)もっと簡単にシミュレーション
50歳以上のねんきん定期便は、かなり具体的な年金受給額を確認することができます。
ですが、50歳未満の人は、上の私の主人のように少し計算が面倒になります。
そこで、もっと簡単にご自分の年金受給額を確認できるサイトをご紹介いたします。
オリックス生命さんの公的保障試算ツールです。
ねんきん定期便をお手元に用意し、指示どおりに必要事項を入力すると、ものの2~3分でご自分が年金でいくら受給できるかを確認することができます。
ちなみにこのサイトを利用して、私の主人の年金受給額を再度試算したほか、私自身の年金も試算してみました。
すると次のような結果になりました。
●私の主人:年間約214万円、毎月17.8万円を受給できる結果になりました。
上で計算した毎月15.4万円と少し誤差がありますが、これは今後の収入をいくらに設定した違いによるものです。
だいたい毎月15.4万円~毎月17.8万円の間なのだと想定することができます。
●私:年間約85.6万円、毎月7.1万円を受給できる結果になりました。
結果的に、夫婦で毎月約23万円ぐらい受給できる試算となりました。
ご自分の、そしてご夫婦の老後の生活を考えていく中で、年金で毎月いくら受給できるかという点はとても大切です。
毎年1回届く「ねんきん定期便」で確認するようにしましょう。
年金に関する概要などについては、本ブログをご覧いただければ幸いです。
●【いくらもらえる?】年金の受給額を具体的な数字でわかりやすく解説します。
●【コスパ最強】年金が元を取れるか試算したら、利回り〇%の貯蓄型生命保険でした

最後にまとめます。
●「ねんきん定期便」は、年に1度、誕生月に送られるもの。
●ねんきん定期便で「これまでの年金加入期間」や「これまでの加入実績に応じた年金額」などを確認できるほか、将来の受け取り額も計算できます。
●ねんきん定期便は50歳未満と50歳以上で様式が異なっており、50歳以上の様式では「老齢年金の種類と見込額(年額)」という項目が加わり、より具体的な受給額を確認することができます
●ねんきん定期便と試算サイトを利用して、簡単に受給額を確認できます