住宅を購入した際には、①住宅ローン控除と②すまい給付金。
「住宅ローン控除」は、所得税をそのまま差し引くことができ、どの所得控除よりも効果は大きい。2.800万円の住宅ローンを組んだ場合(年利0.85%)、約230万円を控除できて実質的な負担は約2.570万円に。収入が一定以下なら「すまい給付金」の申請を。
住宅をリフォームする際の助成金は、金額や対象など自治体によって異なる。
こんにちわ!FPまーこ(@maakomoneydiary)です。
今回の記事のテーマは「マイホーム購入・リフォームににかかる給付金・助成制度」です。
はじめに結論をお伝えいたします。
●住宅を購入した際には、①住宅ローン控除と②すまい給付金。
●所得税をそのまま差し引くことができる住宅ローン控除の効果はどの所得控除よりも大きい。2.800万円の住宅ローンを組んだ場合(年利0.85%)、約230万円を控除できて実質的な負担は約2.570万円に。
●収入が一定以下なら「すまい給付金」の申請を。
●住宅をリフォームする際の助成金は、金額や対象など自治体によって異なる。
●全体的に耐震やバリアフリー工事などが適用されることが多い。
1 住宅を購入した時
①住宅ローン控除
住宅を購入する際に、ほとんどの人は「住宅ローン」を組むことと思います。
住宅ローンを組んだ人は、毎月、20~30年にわたって借りた元金+利息分を金融機関に返済していきます。
そんな中、「住宅ローン控除」とは、住宅を購入後の10年間に年末時点の住宅ローン残高1%を所得税・住民税から控除する制度です。
2019年(令和元年)10月、消費税10%となりました。
これ以降、消費税10%で住宅を購入した人は、控除期間が10年から13年に延長されます。
控除期間の13年延長は、当初、2020年12月末までとされていました。
ですが、新型コロナの影響を受けて2021年12月末までに延長されました。
さらに、2020年12月の税制改正で2022年12月末までに再延長されました。
住宅ローン控除を受けることができる条件
●控除を受ける年の所得が3.000万円以下であること
●住宅ローンの返済期間が10年以上あること
●住宅の床面積が50㎡以上で、床面積の半分以上が居住用であること
●住宅を取得した日から6か月以内に居住し、適用を受ける年末まで引き続き居住していること
●中古住宅やリフォームの場合、耐震や省エネ改修工事などの要件を満たすことが必要
また、住宅ローン控除は、「税額控除」と言われ、所得税そのものを直接差し引く効果があります。
そのため、どんな所得控除よりも減税効果は大きく、最強の減税パワーがあるのです。
②すまい給付金
「すまい給付金」とは、消費税8%及び10%引き上げによる住宅購入者の負担を緩和するための制度です。
所得税を控除する「住宅ローン控除」は、所得税額が小さい人(=収入が低い人)ほど効果が小さくなります。
その一方で、すまい給付金は、こうした住宅ローン控除の効果をあまり受けられない人に対して負担を緩和する制度です。
すまい給付金の対象
●収入が一定以下の者。
・消費税8%で住宅を購入なら510万円以下
・消費税10%で住宅を購入なら775万円以下
*収入とは手取りの給料ではなく、源泉徴収票の「総支給額」。
●消費税が5%から8%に引き上げられた2014年(平成26年)4月から2021年12月までに引き渡されて入居が完了した人
●床面積が50㎡以上であること
●第三者機関の検査を受けた住宅であること
●すまい給付金の額
・消費税8%の場合
収入額の目安 | 給付金額 |
510~475万円 | 10万円 |
475~425万円 | 20万円 |
425万円以下 | 30万円 |
・消費税10%の場合
収入額の目安 | 給付金額 |
675超~775万円 | 10万円 |
600超~675万円 | 20万円 |
525超~600万円 | 30万円 |
450超~525万円 | 40万円 |
450万円以下 | 50万円 |
2 住宅をリフォームする時
①住宅リフォーム助成
住宅を所有している人がリフォームを行う時、自治体がその費用の一部を助成してくれる制度です。
助成金額や対象範囲はそれぞれ異なるものの、大半の自治体が実施しているため、お住まいの自治体のホームページを確認するようにしましょう。
その際のポイントは次のとおりです。
●省エネ、耐震化、防犯、高齢者のためのバリアフリーといったリフォーム内容だと助成の対象になることが多い。
単なる外壁塗装などでは対象外になる(災害による修繕工事を除く)。
●地元の経済活性化のために、「地域の工務店に依頼」が条件となっている場合も多い。
●助成件数の上限を決められている自治体が多く、件数が満たされれば打ち切りになってしまうこともある。
●数十年後に大地震が懸念される東京23区では、すべての区の木造住宅に対して、「耐震診断」の費用が助成される。さらに、耐震補強工事をする際にも補助金を受け取れる。
②住宅特定改修特別税額控除
マイホームを特定の目的でリフォームした人に適用される税額控除です。
この制度は、確定申告を行った際にリフォームの費用を計上することで、所得税が還付される流れとなります。
そのほか、控除額などについては次のとおりです。
ポイント
1.控除額
●省エネ改修工事:250万円(控除上限額)×10%=控除額
●バリアフリー改修工事:200万円(控除上限額)×10%=控除額
あるいは、<標準的な工事費用の額>-<国や自治体から交付される補助金等>の金額のいずれか少ない金額。
2.住宅ローン控除の適用を受けている人は、この税額控除を受けることはできない。
3.住宅ローンを組んでいない人でも適用される。
4.改修工事ですでに別の助成を受けている場合でも、その金額を引いて確定申告をすれば適用される。
最後にポイントをまとめます。
●住宅を購入した際には、住宅ローン控除とすまい給付金。
●住宅ローンは所得税をそのまま差し引くことができる税額控除で効果は大きく、2.800万円の住宅ローンを組んだ場合(年利0.85%)、約230万円を控除でき、実質的な負担は約2.570万円に。
●収入が一定以下ならすまい給付金を申請しましょう。
●住宅をリフォームする際の助成金は、自治体によって異なるため、それぞれの自治体で確認を。全体的に耐震やバリアフリー工事などが適用されることが多い。