支出を減らす

【配偶者控除】「〇〇万円の壁」って何?奥さんの年収はいくらがお得なの?

こんにちわ!まーこ(@maakomonrydiary)です。

今回は、「配偶者控除」についてご説明いたします。

配偶者控除ってそもそも何?
よく「〇〇万円の壁」って聞くけど何なの?
まーこ
まーこ
という疑問に答えていきながら、結局のところ奥さんの収入はいくらが一番お得なのかを私なりにご説明いたします!

1 配偶者控除とは?

*今回の記事では全て、
①夫が働いて収入を得ていて、妻がその夫の扶養内で働いているご夫婦
②夫の年収は1120万円以下
(*1120万円以上だと、配偶者控除の額が段階的に減るため)
という前提で説明をしていきます。
●扶養者(養う人)=夫
●被扶養者(養われる人)=妻、という設定です。

配偶者控除とは、納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合に、一定の金額の所得控除が受けられるという制度です。
簡単に言うと、「独身者と違って結婚した場合、専業主婦(あるいは収入の少ない)の奥さんを養うから大変なので、所得税を減らすことができますよ」というイメージで大丈夫です。

(1)所得税を減らすためには

所得税の仕組みやいくら支払っているのかについて、詳しくは「年末調整とは支出を最小化する一大イベント」をご覧くださればと思います。
所得税というのは、課税所得(*収入や所得ではないことに注意)に応じて金額が変わります。
課税所得が多ければ所得税は多くなり、課税所得が少なければ所得税も少なくなります(累進課税制度といいます)。

この課税所得は、
「所得-所得控除=課税所得」という計算式で算出できます。
つまり、所得税をなるべく小さくするためには「課税所得をなるべく小さくする」必要があり、課税所得を小さくするためには「所得控除をなるべく大きく」すれば、課税所得は必然的に小さくなるのです。

●減税する=課税所得を小さくする=所得控除を大きくする

なので、減税するためには、年末調整や確定申告する際にきちんと配偶者控除を受けることが大事になってきます。

(2)私たち夫婦の実例

私の主人(公務員)の実例を挙げます。
主人の昨年の源泉徴収票の一部には次のとおり記載されてました。

配偶者控除の額 社会保険料等の金額 生命保険料の控除額 地震保険料の控除額
380.000円 144.000円
1.504.523円
50.000円 19.576円

これら4種類の金額の合計額が所得控除となって、課税所得が小さくなる=所得税が軽減されることにつながっていくのです。
所得に対して、これら4種類の合計額=1.810.099円が所得控除として差し引かれて、課税所得が決まりますから、かなり大きな金額となります。

奥さまの収入が増えると、よく「夫の扶養範囲から外れて損をする」と言われますが、これは、
「夫の扶養から外れる」=「配偶者控除の額が0円(上表の380.000円の欄が0円に)となって所得控除が小さくなる」=「課税所得が大きくなって所得税が増える」=「損をする」という意味なのです。

ではどれくらい損をするかの一例を挙げます。
※所得500万円の夫の所得税
①専業主婦(収入ゼロ)の妻と
②年収201万6千円(配偶者特別控除を受けられる上限額)の妻

妻の収入 夫の所得税
0円 496,500円
201万6千円 572.500円

夫の所得税に76.000円ほど差が出てきます。
ただし、妻が収入を得ているので、いちがいに「損」という表現が正しいのか微妙なところです。

●ちなみに上記表の「社会保険料等の金額」の上段144.000円は、iDeCo(個人型確定拠出年金)の年間掛け金が表示されています。
なので、「iDeCoをはじめると減税効果になる」というのは、掛け金がそのまま所得控除に加算されるからなのです(詳しくは「iDeCoとは」をご覧ください)。

 

2 「〇〇万円の壁」とは?

(1)「〇〇万円の壁」は2種類、6パターンあります

「奥さんの年収が一定額を超えると、旦那さんの扶養を外れて損しちゃう」
いわゆる「〇〇万円の壁」というものです。

この「壁の問題」を混乱せず正確に理解するためには、まず税金と社会保険料の「2種類、6パターンある」ということを認識することがとても大事です。
壁にはそれぞれどちらの話なのかを理解するとわかりやすくなります。

それぞれを説明しますと次のようになります。

 奥さんの年収が、
①「100万円の壁」=100万円を超えると、奥さんが住民税を支払う義務が発生します。
②「103万円の壁」=103万円を超えると、奥さんが所得税を支払う義務が発生します。
③「106万円の壁」=
106万円を超えると、奥さんが社会保険料を支払う義務(勤務先などで異なります)が発生します。
④「130万円の壁」=
130万円を超えると、奥さんが社会保険料を支払う義務(どんな勤務先でも必ず)が発生します。
⑤「150万円の壁」=150万円を超えると、
夫の収入が配偶者特別控除を満額(38万円)受けられなくなる。
⑥「201万6千円の壁」=201万6千円を超えると、
夫の収入が配偶者特別控除を受けられなくなる。

わかりやすく表にすると次のようになります。

~の壁 どっちの話? 壁を超えるとどうなる?
100万円 税金(奥さんの住民税) 住民税を支払う義務が生じる
103万円 税金(奥さんの所得税) 所得税を支払う義務が生じる
106万円 社会保険料(奥さんの) 社会保険料を支払う義務が生じる
(勤務先や勤務日数によって異なります)
130万円 社会保険料(奥さんの) 社会保険料を支払う義務が生じる
(必ず)
150万円 税金(夫の所得税) 配偶者控除の満額(38万円)の控除
が受けられなくなる
*150万円以上から段階的に減額。
201万6千円 税金(夫の所得税) 配偶者控除が0円になる

 

3 それでは奥さんの年収はいくらがお得か?

(1)社会保険料の負担は大きい

それでは、奥さんの年収はいくらにすれば一番お得なのでしょうか?
それは、社会保険料が支払う義務が生じる「130万円の壁」の一歩手前である「年収129万円」(*勤務先によっては年収105万円)です。
100万円、103万円の壁を超えると、それぞれ住民税と所得税を支払う義務が生じますが、その税額は数千円程度です。
ですけど、130万円の壁(勤務先によっては106万円)を超えた場合の社会保険料は、先の住民税などよりもはるかに大きい18万円程度となります。

なので、
129万円→社会保険料がかからない(0円)
130万円→社会保険料がかかる(約18万円)
となり、一番変化が大きいです。

(2)収入を調整できますか?(まーこ的見解)

私自身は、2人の娘が小学生に入って落ち着きだした2年ぐらい前から保育園でパートを週2~3回しています。
昨年は月5~8万円のお給料で、年収は80万円ぐらいでした。
そのため住民税・所得税どちらも支払わず、配偶者控除は満額の38万円となっています。

私自身は今後、娘が小学6年、小学3年とだいぶ落ち着きだして時間が比較的確保できるようになったため、もう少しシフトを増やそうと希望を出しています。
ですが、勤務している保育園側では、
①平日は、勤務したい他のパート職員がいるため、私だけ勤務日をそこまで多く増やすことはできない
②逆に土曜日は、勤務希望の職員があまりいないため、ぜひともシフトに入れたい

これに対して私は、子どもの習い事の送り迎えや家族の時間を大切にしたいため、土曜日の勤務はさけたいと考えているため、希望どおり勤務日を増やせず、いまの収入を少し増やしてせいぜい年収100万円弱にするのが限界です。
いくら「129万円がベスト」といっても、家庭の事情や勤務先の都合があるため、意識的に年収を129万円をするというのは無理だと考えます。
これは私も含めて多くのみなさんが当てはまると思います。

別の見方をすると、年収が130万円を超えた場合、社会保険料を18万ぐらい支払う義務が生じるのですが、その分、老後に「老齢厚生年金」が支給されます。
そのため、「社会保険料を取られる」=「損する」とは一概に言えないのです。

また、もう一つの「150万円の壁」を超えると、配偶者控除の満額(38万円)を受けられなくなりますが、いきなり控除額が0円になるわけではありません。
奥さんの収入が153万円になったら控除額36万円、160万円になったら控除額31万円と段階的に(少しずつ)減額するので、壁を超えた=すぐ損になるというわけではありません。

「収入をいくらにするか」という点は、ご自分の力でコントロールすることが難しいです。
そのため、特に気にせず、ご自分の働く意志や家庭の事情、勤務先の都合を見ながら働くことが大事だと考えます。
「配偶者控除」や「〇〇万円の壁」という存在を「ああ、こんな制度をあるんだよね」と頭の片隅に置く感じで。
そんなスタンスで良いのかなと感じました。

最後にまとめをお伝えいたします。

まとめ

●配偶者控除とは、「専業主婦(あるいは収入の少ない)の奥さんを養うから大変なので、主人の所得税を減らせますよ」という制度。
●「〇〇万円の壁」とは、奥さんの年収が〇〇万円を超えると税金や社会保険料を支払う義務が生じるなど2種類・6パターンあります。
●一番大きな差があるのは、社会保険料を支払う義務が生じる「130万円の壁」。
●130万円の壁は、将来支給される年金額に関係してくるため、「130万円の壁を超えたら損」というわけではありません。
●それぞれの壁を超えても、配偶者控除が直ちに0円になるわけではなく、ちょっとずつ減っていきます。そのため、壁の存在をあまり意識しすぎず、ご自身の働く意思や家庭の事情、勤務先のシフトを見ながら働きましょう

まーこ
まーこ
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