こんにちわ!まーこ(@maakomoneydiary)です。
今回の記事のテーマは「NISA制度の改正」です。
はじめに結論をお伝えいたします。
●2024年1月から、「一般NISA」は、1階部分をつみたてNISA(年間20万円まで)、2階部分を一般NISA(年間102万円まで)という「新NISA」に。
●つみたてNISAは、投資可能期間が2037年から2042年までに延長。
●ジュニアNISAは2023年末で制度終了。引き出し制限が解除となります。
●NISAを始めている人は手続きなど特にやることはありません。
●まだNISAを始めてない人は、2024年まで待つのでなくいち早く始めましょう。
1 ざっくりポイントを確認
2020年3月の税制改正で所得税法の一部の改正が成立しました。
これによって2024年1月1日から、NISA制度が大きく変わります。
これまで、NISA制度は、①一般NISAと②つみたてNISA、③ジュニアNISAの3種類ありました。
2024年の改正からその3種類のNISAは次のように変わります。
●一般NISAは、1階部分をつみたてNISA(年間20万円まで)、2階部分を一般NISA(年間102万円まで)という「新NISA」になる。
●つみたてNISAは、これまで2037年までとされてきた投資可能期間を2042年までに延長
●ジュニアNISAは、2023年で終了
現行制度(~2023年) | 改正後(2024年1月~) | |
一般NISA | ●新規に投資できる期間は、2023年まで ●年間120万円まで非課税 ●投資可能期間:5年 ●対象商品:株式、株式投信など一般の投資商品全般 ●2019年以降の投資分はロールオーバーできない |
●新規に投資できる期間は、2028年までに延長 ●年間122万円まで非課税 (1階部分が20万円、2階部分が102万円) ●2024年以降の投資分はロールオーバー不可 |
つみたてNISA | ●年間40万円まで非課税 ●積立期間:20年間 ●対象商品:金融庁が定めた基準を満たす投資信託など約180商品 ●新規投資可能期間:2037年末まで |
●新規に投資できる期間が2042年末までに延長。 ●そのほかは現行と同じ。 |
ジュニアNISA | ●未成年者を対象としたNISA ●年間80万円まで非課税 ●対象商品:株式、株式投信など一般の投資商品全般 ●投資可能期間:5年間 ●口座管理は親 ●原則、口座開設者が18歳まで引き出すことはできない |
●2023年末で制度終了 ●新規の口座開設は2023年末まで ●引き出し制限は解除 |
2 一般NISAから新NISAへ
今回の改正によって、一番大きく変更する一般NISAについて、次のようにまとめました。
これまでの一般NISAは、年間120万円までの枠内で、投資信託や個別株などの投資商品を購入でき、その後の最長5年間はその枠内で得た配当金や分配金、譲渡益が非課税となります。
これに対して2024年からの新NISAは、「2階建て構造」になります。
年間20万円までの枠内で最長5年間を積み立てできる1階部分と、年間102万円までの枠内で最長5年間を投資できる2階部分の合わせて年間122万円分を利用できる制度となります。
一般NISA(~2023年まで) | 新NISA(2024年~2028年) | |
年間投資額 | 120万円 | 122万円 (1階部分20万円、2階部分102万円) |
投資可能期間 | 2014年~2023年 | 2024年~2028年 |
対象商品 | 株式、株式投信など一般の投資商品全般 | 1階部分:つみたてNISAと同じ つみたてNISAにロールオーバー可能 2階部分:一般NISAから高レバレッジ投信などを除いたもの |
原則として、1階部分で積立投資を行った人のみが2階部分を利用できます。
その際に、1階部分で20万円分すべて利用する必要はなく、最少額(金融機関によって異なります)の積立でも利用したことになり、2階部分を利用できます。
その例外として、現行の一般NISAを始めている人あるいは株式投資の経験者は、2階部分のみを利用できます。
3 つみたてNISAとジュニアNISAの変更点
つみたてNISAについては、ほとんど変更がありません。
ですが、ジュニアNISAについては「引き出し制限」が解除されたことで、使い勝手が良くなりました。
つみたてNISAの変更ポイント
つみたてNISAについては、新規に投資可能な期間が2037年末から2042年まで延長されました。
積立期間が延長ではないことにご注意ください(現行制度と変わらず20年です)。
そのほかの点は変更なしです。
ジュニアNISAの変更ポイント
ジュニアNISAは、残念ながら2023年末で制度が終了します。
2020年3月時点、ジュニアNISAは、約21万口座にとどまっていて、一般NISAの711万口座、つみたてNISAの114万口座と比較した場合、圧倒的な人気のなさが制度終了の背景と言われています。
ジュニアNISAという制度自体は終了するものの、今回の改正で「引き出し制限が解除」されたことにより、各段に使い勝手が良くなりました。
これまでジュニアNISAは、「口座開設者(子ども)が18歳になるまで引き出せない」というルールでした。
投資期間が5年間であるため、子どもが生まれた際にジュニアNISA口座を開設したとして、子どもが5歳になったら投資期間(0歳~5歳)は終了となります。
そしてその子どもが18歳になるまで引き出すことはできず、13年間待たなければなりませんでした。
この使い勝手の悪さが人気の無さにつながっていたのですが、今回の制度改正で、いつでも引き出すことが可能となりました。
現行制度 | 制度改正後(2024年~) |
●口座開設者(子ども)が18歳まで引き出せない ●大学の入学金や授業料しか対応できない ●中学や高校の教育費には対応できず ●引き出し時の経済状況で運用益が左右されてしまう |
●2024年以降はジュニア口座を開設できない ●2023年以前に開設したジュニア口座は、いつでも引き出し可能 ●2021年から始めても3年間は積立可能で、いつでも引き出せるため、おすすめ。 |
現在、一般NISAやつみたてNISAを始めている人で、少し金銭的に余裕がある方や教育費をもう少し充実させたいと考えている方は、今回いつでも引き出せるようになったジュニアNISAを3年間限定ですが利用するのも一案です。
3 結局どうすればいいの?
今回の制度改正に向けて、すでにNISAを始めている人は基本的には何もする必要はありません。
2023年末時点で一般NISAを利用している人は、2024年に入り新NISAに移行する場合、自動的に資産が移行されるため、特に手続きは必要ありません。
5年間の非課税期間が終了した後、保有している商品を翌年のNISA非課税枠へ乗り換えることで、再度5年間非課税で運用可能な「ロールオーバー」(新NISAの枠内である122万円以上も可)も可能です。
また、つみたてNISAを始めている人は、制度自体は変更がないため、そのまま継続できます。
その際に、使い勝手の良くなったジュニアNISAを3年間限定で始めて、さらに老後資金や教育費を充実させていくことも一案です。
まだNISAを始めていない人は、2024年を待つ必要は全くありません。
今から始めて、運用期間をなるべく長くすることを意識しましょう。
一般NISAを始めている人 | ●自動的に資産が移行されるため、手続きなど必要ありません。 ●一般NISAで購入した商品は、新NISA後もさらに5年間非課税で運用できるロールオーバーが可能です。 |
つみたてNISA | ●特に変更ありません。 ●いつでも引き出し可能となったジュニアNISAを3年限定で始めるのも一案。 |
まだNISAを始めていない人 | ●2024年まで待つ必要はありません。 ●現行制度の一般NISAあるいはつみたてNISAをいち早くはじめて、運用期間をなるべく長くするよう意識しましょう。 |
最後にポイントをまとめます。
●2024年1月から、「一般NISA」は、1階部分をつみたてNISA(年間20万円まで)、2階部分を一般NISA(年間102万円まで)という「新NISA」になる。
●つみたてNISAは、投資可能期間が2037年から2042年までに延長。
●ジュニアNISAは2023年末で制度終了。引き出し制限が解除となります。
●NISAを始めている人は手続きなど特にやることはありません。
●まだNISAを始めてない人は、2024年まで待つのでなく、いち早く始めましょう。
つみたてNISAの概要やおすすめする理由などについては、本ブログの関連記事をご覧いただけたら嬉しいです。
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