「18歳までの引き出し制限」が解除されたジュニアNISA。
廃止までの3年で240万円を積み立てた場合、10年ほど保有していれば500万以上に増える試算です。
こんにちわ!FPまーこ(@maakomoneydiary)です。
今回の記事のテーマは「ジュニアNISA」です。
ですが、この廃止によって「18歳までの引き出し制限」が解除され、使い勝手の良いお得な非課税投資制度に生まれ変わりました。
具体的にどれくらいお得になるのかシミュレーションしてみました。
ぜひ最後までご覧くださいね!
はじめに結論をお伝えいたします。
Q:ジュニアNISAが廃止なのに口座開設数が増えている理由は?
A:これまで使い勝手の悪かった「18歳までの引き出し制限」が解除されたから
Q:ジュニアNISAはどれくらいお得なの?
A:今から始めて80万円×3年投資した場合(240万円)、3年後には約258万円、子どもが18歳までには複利で約535万円までに増やすことができます(年利5%の場合)
月3万円(年36万、3年後108万円)なら116~241万円に、月1万円(年12万、3年後36万円)なら38~79万円になる試算
こうした資産は、必要な時にいつでも引き出せ、増えた分は非課税で受け取れるという使い勝手の良いものに(=銀行に貯金よりも超お得!)
1 ジュニアNISA、あと3年で終了
①2023年末で制度終了
「ジュニアNISA」は2016年はスタート。
ざっくり言うと、子どもがいる人向けのNISAです。
ジュニアNISAの詳細については、合わせてこちらをご覧ください。

その後、ジュニアNISAは、一般NISAの1%ほどの購入規模で利用がまったく伸びなかったため、2019年末に「2023年12月末で制度廃止」が決定しました。
利用が伸びなかった背景には、「一般NISA(あるいはつみたてNISA)を利用すると、ジュニアNISAまで手を広げる経済的な余裕がない」といった要因があります。
ですが最大の要因は、「子どもが18歳まで非課税で引き出せない」という使い勝手の悪さでした。
②終了が決定
→利用者数が増加した不思議な現象
終了が決定した後、なぜかジュニアNISAの口座開設数が急増しています(?)。
2019年の12月末時点で約20.6万口座でしたが、2020年の1年間で約10.3万口座が増え、合計で約30万9千口座となりました(1年間で約1.5倍に)。
その理由は、不人気の理由とされていた18歳までの引き出し制限が解除され、自由度が高くなったことにあります。
現在(2021年)からジュニアNISA口座を開設すれば、2023年まで3年間で最大240万円の投資が可能となります。
それ以降は「継続管理勘定」(ロールオーバー)という非課税枠に移管されます。
※ロールオーバー
●子どもが20歳になるまで非課税のまま継続保有ができること
●利回りで増えても非課税
●20歳前なら引き出し自由
この継続管理勘定(ロールオーバー)で、子どもが18歳になるまで保有でき、①複利で増えていく、②増えても非課税、③必要な時にいつでも引き出すことができる、というお得な制度になったのです。
仮に銀行に240万円を預けたとします。
超低金利なため、10数年経っても240万円から増えることはありません。
同じ240万円をこの「ジュニアNISA」枠に入れておくだけで増えていきます。
この両者、どちらを選びますか?

2 どれくらい増えるかシミュレーション
①最大80万円を積み立てた場合
240万円が535万円に!
ジュニアNISA口座で年間80万円を積み立てていくと(毎月66.666円)、制度が終了する3年後には、利回り5%で約240万円が約258.3万円になります(下図:「楽天証券・積立かんたんシミュレーション」を使用)。

この258.3万円という金額は、「3年後に全て売却した金額」なのです。
3年後に売却して258.3万円を確保しても良いですが、それ以上に増やすことができます。
3年後の258.3万円
●いつでも売却して引き出せる
中学や高校時の急な出費にも対応
●売却せず保有していても利回りで増える
銀行に貯金しても増えません
●0歳から始めて3歳で積立終了
→18歳まで15年間の保有
→利回り5%なら約535万円に
●継続管理勘定で運用
増えた分は税金がかからず、そのまま受け取れる

子どもが18歳時は一番お金が必要と言われます。
私立大学に入学する場合、入学金と授業料(4年間)で386万円かかると言われています。
こうした出費に、十分に対応することができます。
②月3万円を積み立てた場合
「年間80万円も投資できないよ」とお考えの方も多いと思います。
そこで①のケースと同様な形で、積み立て額を減らして毎月3万円、年間36万円を積み立てていく場合を見ていきます。
制度が終了する3年後には、利回り5%で約108万円が約116.2万円になります(「楽天証券・積立かんたんシミュレーション」を使用)。

3年後は、売却して116万円を確保しても良いですが、それ以上に資産を増やすことも可能です。
3年後の116万円
●売却していつでも引き出せる
●売却せず保有し続けると複利で増えていく
●利回り5%で15年保有なら約241万円に
●増えた分は非課税でそのまま受け取れる
→とても使い勝手の良い資産に!
241万円という金額なら、18歳時、私立大学の入学金に加えて2年分の授業料をカバーすることができます。
③月1万円を積み立てた場合
①、②よりものケースと同様な形で、積み立て額を減らして毎月1万円、年間12万円を積み立てていく場合を見ていきます。
制度が終了する3年後には、利回り5%で36万円が約38万円になります(「楽天証券・積立かんたんシミュレーション」を使用)。

3年後は、売却して38万円を確保しても良いですが、それ以上に資産を増やすことも可能です。
3年後の38万円
●売却していつでも引き出せる
●売却せず保有し続けると複利で増えていく
●利回り5%で15年保有なら約79万円に
●増えた分は非課税でそのまま受け取れる
→とても使い勝手の良い資産に!
79万円という金額なら、18歳時、私立大学の入学金に加えて1年時の授業料の半分をカバーすることができます。
④まとめ
・保有期間が長いほど増やせる
・金額が大きいほど増やせる
シミュレーションの結果をまとめると次のとおりです。
ジュニアNISAは制度が終了しますが、すごいお得な制度に切り替わったのです。
銀行口座にいくらか余剰資金がある人、NISAやつみたてNISAだけでは少し物足りないと感じている人などは、ジュニア口座を活用して資産を増やすチャンスです!
最後にポイントをまとめます。
●ジュニアNISAは2023年末で廃止。あと3年で終了します。
●240万円が258~535万円に
●108万円が116~241万円に
●36万円が38~79万円になる試算(利回り5%で)。
●必要な時にいつでも引き出せ、増えた分は非課税という使い勝手の良い資産に
●保有期間が長いほど増やせる(子どもがなるべく小さい時にスタートすると効果大)
●掛け金が大きいほど増やせる
「NISA」=将来に向けて資産をしっかり確実に増やすことができます。
今回の記事でご紹介した「ジュニアNISA」も、もちろん資産形成・運用に効果的です。
ジュニアNISA以外にも、NISAやつみたてNISAも、将来に向けて資産をしっかり確実に増やすことができます。
NISAとつみたてNISAの2つを併用することはできませんが、ジュニアNISAとの併用はOKです。
「NISA」について、下記の関連記事でわかりやすく説明しています。
ぜひこの機会に始めましょう!
●NISAについて
1.「【まだ始めてない方は必見】積立NISAをおすすめする背景と理由」
2.「積立NISAの概要とおすすめ銘柄」
3.「【初心者向け】まずはこれ!今すぐ始めたい4つの資産形成」
4.「【併用が正解】積立NISAとiDeCo、やるならどっち?20年後をシミュレーション」
5.「【1年やるとこうなる】つみたてNISAとiDeCoの実績を公開します」
6.「【つみたてNISA】よく見るインデックス投資とは?おすすめをご紹介」
7.「【制度改正】NISAが2024年から大きく変わります。新NISAのポイントを説明」
8.「【廃止後どうする?】ジュニアNISAが期間限定の“つみたてNISA”に。ぜひ有効活用を」
9.「【20年後どうする?】つみたてNISAの受け取り方は保有か売却の2パターン」
10.「【NISA】ロールオーバーとは?5年後をシミュレーションしてわかりやすく説明」
11.「【廃止だけど申込増】ジュニアNISAで実際に商品を購入するまでの流れ(約1か月)」
12.「【NISA】よく見る「ETF」って何?投資信託との違いは?オススメはどっち?」
13.「【つみたてNISAは20年後暴落なら大損?】よくある勘違いをわかりやすく説明」
14.「【ジュニアNISA】子どもが18歳までどれくら貯まる?シミュレーションした結果」
15.「【忙しい人限定】つみたてNISAが3分で理解できる一問一答」